脳の異常のサインかもしれません
「急に話しにくくなった」「言葉がうまく出てこない」「話そうとしてもろれつが回らない」――こうした症状が出たことはありませんか?
ろれつが回らない(構音障害・発語障害)は、一時的な疲労やストレスによっても起こることがありますが、脳卒中(特に脳梗塞)や神経疾患の前触れであることもあります。症状が一過性であっても、繰り返す場合やほかの症状を伴う場合は、注意が必要です。
当院では、脳神経内科の専門医が、発症のタイミングや持続時間、随伴症状を詳しく確認し、必要に応じてMRIや血液検査などを用いて原因を特定します。
このような症状はありませんか?
- 急に言葉が出にくくなった
- 話している途中でろれつが回らなくなった
- 声がかすれる、聞き取りにくいと言われる
- 言いたいことはわかっているのにうまく話せない
- 手足のしびれや力の入りにくさを伴っている
- 数分〜数時間で症状が治まったが、不安が残る
このような場合、一時的なものとして放置せず、医療機関での評価を受けることが推奨されます。
ろれつが回らない主な原因
1. 脳梗塞・一過性脳虚血発作(TIA)
突然のろれつ障害は、脳への血流が一時的または恒常的に低下しているサインかもしれません。片側の手足のしびれ、脱力、視野の異常、意識の混濁などを伴うこともあります。発症から時間が経つほど治療の選択肢が狭まるため、早期の受診が極めて重要です。
2. パーキンソン病・神経変性疾患
声が小さくなったり、ろれつが回りにくくなるのは、パーキンソン病や進行性核上性麻痺(PSP)などの神経疾患でも見られる症状です。進行性の場合は、歩行障害や手のふるえなども徐々に出現します。
3. 筋疾患・末梢神経障害
構音に関わる舌・口唇・咽頭の筋肉がうまく動かないことでろれつが回らなくなることがあります。筋萎縮性側索硬化症(ALS)や重症筋無力症なども関連疾患として挙げられます。
4. 精神的ストレス・過換気症候群
緊張や不安が強いと、一時的に口が回らない・呼吸が乱れることがあります。これは一過性であることが多いものの、繰り返す場合は自律神経のバランスや心因性の背景も考慮して診療を進めます。
検査と診療の流れ
当院では、次のようなステップで診療を進めます
- 問診と神経学的診察(発症の状況や随伴症状の確認)
- 頭部MRIまたはCT(脳卒中や脳腫瘍の除外)
- 血液検査(代謝異常、感染症の有無)
- 必要に応じて脳波や嚥下機能評価、神経伝導検査など
症状の重症度や進行具合に応じて、治療方針をご提案します。
まとめ:一過性でも、放置せず早めの受診を
ろれつが回らない症状は、一見すると軽いものに見えることがあります。しかし、その背後に命に関わる疾患が潜んでいる可能性もあります。
「ちょっと変だな」と思ったら、どうぞ早めにご相談ください。当院では、正確な診断と適切な治療で、皆さまの安心と健康をサポートいたします。