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物忘れ・認知症

老化による物忘れ

「年のせい」だけでは片づけられない記憶の変化

  • 最近、人の名前が出てこない
  • 同じことを何度も聞いてしまう
  • 財布や鍵をよく探している

― こうした“物忘れ”は、誰にでも起こることですが、加齢による自然な変化なのか、認知症の始まりなのかを見分けることはとても大切です。

当院では、脳神経内科の専門医が、問診・認知機能検査・画像検査(MRIなど)を通して原因を見極め、早期の対応や予防・治療の方針をご提案しています。

このような症状はありませんか?

  • 同じ話を何度も繰り返す
  • ついさっきの出来事を思い出せない
  • 曜日や場所を間違えることが増えた
  • 財布やカギなどの置き場所がわからなくなる
  • 料理や家事、計算などの手順がわからなくなる
  • 周囲の人との関わりを避けるようになった
  • 怒りっぽくなった、妄想的な言動が見られる

これらは、認知症の初期症状である可能性があります。特に、ご家族が「以前と様子が違う」と感じるようになったら、一度専門医による診察を受けることをおすすめします。

物忘れと認知症の違い

項目 加齢による物忘れ 認知症による物忘れ
忘れる内容 体験の一部(名前や日付など) 体験そのものを忘れる
自覚 忘れたことを自覚している 忘れていることに気づかない
日常生活への影響 ほとんどない 支障が出ることが多い

「年相応」と思っていても、軽度認知障害(MCI)と呼ばれる前段階の可能性もあります。MCIは適切な生活改善や治療介入により、進行を遅らせることができるケースがあります。

認知症の主な種類

アルツハイマー型認知症

記憶障害から始まり、徐々に判断力・理解力の低下が進行します。最も頻度の高い認知症です。

血管性認知症

脳梗塞や脳出血などによる脳血管障害が原因で、段階的に症状が進行します。

レビー小体型認知症

幻視、パーキンソン症状、注意力の変動などが特徴です。早期には誤診されやすい認知症です。

前頭側頭型認知症(ピック病など)

人格変化や衝動的な行動が目立ち、比較的若年で発症するケースもあります。

当院での診療の流れ

  1. 詳しい問診・生活状況の確認(ご家族同席も歓迎)
  2. 認知機能検査(MMSE、長谷川式スケールなど)
  3. 頭部MRI・CTによる脳萎縮や梗塞の有無の確認
  4. 必要に応じて血液検査や心理検査
  5. 診断結果に基づいた治療・生活指導・介護支援のご提案

ご家族のサポートも大切にしています

認知症は、ご本人だけでなく、ご家族や周囲の方々の支えも大切な病気です。 当院では、医療だけでなく、介護保険制度の利用や地域包括支援センターとの連携など、生活全体を見守るサポートについてもご相談いただけます。

まとめ:早期発見がその後の生活を守ります

認知症は、「早く気づき、正しく対処する」ことがとても大切です。適切な治療や生活習慣の工夫によって、進行を遅らせたり、生活の質(QOL)を保つことができます。

また、認知症と診断された場合でも、医療だけでなく介護サービスや地域の支援制度を上手に活用することで、ご本人もご家族も安心して日常を続けられる環境を整えることが可能です。

「もしかして…」と感じたら、どうぞ一人で悩まずにご相談ください。 当院では、脳神経内科専門医が丁寧に診療し、ご本人にもご家族にも寄り添ったサポートを行います。